フェラーラ(その他表記)Ferrara

デジタル大辞泉 「フェラーラ」の意味・読み・例文・類語

フェラーラ(Ferrara)

イタリア北部、ポー川下流に位置する都市。15世紀末にエステ家エルコレ1世が、建築家ビアージョ=ロセッティに命じてルネサンスの都市計画に基づく都市改造を行った。その結果、広い道路、公園や庭園、統一された高さの建物など、ヨーロッパ初の近代都市が生まれた。ディアマンティ宮殿エステ城なども当時の建造物。1995、1999年に「フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯」として世界遺産(文化遺産)に登録された。フェッラーラ

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改訂新版 世界大百科事典 「フェラーラ」の意味・わかりやすい解説

フェラーラ
Ferrara

イタリア北部,エミリア・ロマーニャ州の同名県の県都。人口13万1907(2004)。州の北東部,ポー川の南数kmのところにあり,ボローニャパドバを結ぶ鉄道が通る。起源はかなり古いと思われるが,記録にあらわれるのは8世紀にビザンティン帝国の総督領となってからである。774年にローマ教会に委譲された。10世紀にカノッサ伯の所領として教会によって封じられ,12世紀ごろに市民によって選出される執政官に治められる都市国家となった。1167年には皇帝フリードリヒ1世に抗するロンバルディア都市同盟に加わったが,当時のイタリアのほかの都市同様,教皇派と皇帝派に分かれた貴族が支配を争い,そのなかから1267年,エステEste家がシニョーレとして支配を確立し,その下でこの都市は繁栄した。とりわけエルコレ1世(在位1471-97)は,父ボルソとともに当時のルネサンス文化のパトロンとしてヨーロッパに名をはせ,その宮廷には,ボイアルド,アリオスト,タッソなどの詩人が出入りし,絵画フェラーラ派として知られる独自の様式が芽生えた。エルコレ1世はまた,この都市を計画的に整備し,今日みられるような,城壁に囲まれて,碁盤状の街路,緑の多い居住地区を含む都市ができ上がった。16世紀末に教皇庁領となってからは,一地方都市に堕し,イタリア統一後もしばらく停滞が続いたが,19世紀末,灌漑の結果,この地域でテンサイ栽培が始まり,製糖業の中心地となってから,人口も増大した。今日では,石油精製所も立地しているが,工業の主体は,周囲の豊かな農業地域と結びついた食品工業(砂糖,製粉),農業機械,化学肥料などである。
執筆者:

ロンバルディア様式の大聖堂は1135年に起工され,13世紀末に大部分が完成した。大聖堂付属美術館には,幻想的・怪奇的表現に傾くC.トゥーラのオルガン扉絵《受胎告知》(1469)がある。彼は〈フェラーラ派〉の開祖とされ,続くF.delコッサはボルソの注文でスキファノイア宮殿〈月暦の間〉に特異な図像で知られるフレスコ(1470ころ)を描いた。
執筆者: 国立フェラーラ美術館は,外壁のダイヤモンド・カットのような切石積みを特徴とするパラッツォ・デイ・ディアマンティ(ダイヤモンド宮殿,1492-1565)の2階の20室を占め,14世紀以降のフェラーラ派絵画の収集を誇る。C.トゥーラ,エルコレ・デ・ロベルティ,L.コスタのほかに,〈フェラーラのラファエロ〉と称されたガローファロGarofalo(1481ころ-1559)やドッソ・ドッシの作品があり,また1階にはフェラーラ出身の画家ボルディーニGiovanni Boldini(1842-1931)を記念して,彼の作品が数多く展示されている。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「フェラーラ」の意味・わかりやすい解説

フェラーラ

イタリア中部,エミリア・ロマーニャ州の都市。ポー川下流域にある。19世紀末の灌漑(かんがい)によってテンサイの栽培が始まり,食品加工,農業機械,化学肥料,石油精製などの工業が行われる。12世紀後半エステ家の支配下でルネサンスの学芸中心地となり,詩人アリオストタッソらが活躍し,絵画にはフェラーラ派が出た。ルネサンス期の市街は1995年世界文化遺産に登録。13万2545人(2011)。
→関連項目バッサーニ

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旺文社世界史事典 三訂版 「フェラーラ」の解説

フェラーラ
Ferrara

イタリア北部,ポー川の下流南岸にある商工業都市
13〜16世紀にエステ家が支配。北イタリア−ルネサンスの一中心。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェラーラ」の意味・わかりやすい解説

フェラーラ
ふぇらーら

フェッラーラ

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