サービス・マーケティング(英語表記)service marketing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サービス・マーケティング
service marketing

サービス業を営んでいる組織が,その提供サービスに関連して行なうマーケティング活動。メーカーがその提供製品を差別化するために,付随的に提供しているサービスは,直接の対象とはならない。産業全体の国民総生産 (GNP) および就業者数において,第3次産業はともに約6割を占めるまでになっており,しかもサービスは,モノとはかなり異なった特徴を持つために,サービス・マーケティングの必要性が高まっている。サービス固有の特徴として無形性と,生産・消費の同時性とが挙げられる。無形性とは,サービスは行為あるいは実行だということである。この無形性のためにサービスは在庫が不可能で,販売後に顧客が生産に参加して,生産と消費が同時に行なわれることになる。サービス・マーケティングがモノのそれと異なるのは,次の2つの理由による。第1に,サービスの標準化と品質管理がモノに比べて困難であることである。顧客の観点からすると,サービスの品質は「提供されたもの」と「提供のされ方」という2つの品質から構成されており,サービス・マーケティングでは 4Pのほかに,両品質を管理するためのシステム設計が重要な課題になる。第2に,無形性は購入時点における顧客の品質評価を困難にすることから,提供するものの内容の示し方や提示仕方に影響される,顧客の期待管理も重要な課題になる。

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