シギショアラ歴史地区(読み)シギショアラれきしちく

世界遺産詳解 「シギショアラ歴史地区」の解説

シギショアラれきしちく【シギショアラ歴史地区】

1999年に登録された世界遺産(文化遺産)で、ルーマニア北西部、トランシルヴァニア地方のムレシュ県に位置する地域。12世紀末に、ゲルマン系のザクセン人の職人や商人によって建設され、数世紀にわたって繁栄した。シギショアラ歴史地区は、デアル・チェタツィーという丘の上に建つ城壁に囲まれた地域で、城壁内は石畳の細い道が走り、中世の雰囲気を漂わせた家屋、店などの建物が軒を連ねている。14世紀に建てられた時計の塔は、当時と変わらず時間が来ると塔の中から7つの人形が現れ、音楽に合わせて踊り出す。その他、仕立屋の塔、靴職人の塔、皮革加工職人の塔など、当時の職人の組合の名前が付けられた塔がいくつもある。また、聖ニコラエ教会、ドミニカン修道院など、歴史や文化を伝える貴重な建築物があり、これらが文化的価値の高い町並みを形成している。このような魅力が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHistoric Centre of Sighişoara

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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