シリカ鉱物(読み)シリカコウブツ(英語表記)silica mineral

デジタル大辞泉 「シリカ鉱物」の意味・読み・例文・類語

シリカ‐こうぶつ〔‐クワウブツ〕【シリカ鉱物】

二酸化珪素シリカ)、またはその水和物からなる鉱物総称天然には石英オパールなどが産出

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改訂新版 世界大百科事典 「シリカ鉱物」の意味・わかりやすい解説

シリカ鉱物 (シリカこうぶつ)
silica mineral

化学組成SiO2で示される無水ケイ酸鉱物の総称で,天然には5種の鉱物として産出する。すなわち,石英トリディマイトtridymite,クリストバライトコーサイトスティショバイトである。これらの中で,石英が最も普通な鉱物で,トリディマイトとクリストバライトは酸性火山岩中に産する。コーサイトとスティショバイトは高圧型シリカ鉱物で,はじめ実験室で合成され,のちにアメリカ,アリゾナ州バリンジャー隕石孔で衝撃を受けた砂岩中に認められた。シリカは火成岩中に石英,クリストバライト,トリディマイトとして産する。これら3種のシリカ鉱物は多形の関係にあり,それぞれ固有の安定領域をもっている。1気圧のもとでは,石英が867℃まで安定である。トリディマイトは867℃から1470℃まで安定で,クリストバライトは1470℃から融点1713℃まで安定である。これら3種のシリカ鉱物はそれぞれ高温型と低温型をもっている。たとえば,石英の高温型-低温型転移は,1気圧のもとで573℃でおきる。それぞれの鉱物の高温型-低温型の転移は,それぞれの鉱物間の転移とはまったくその性質の異なるものである。すなわち,三つの鉱物におけるSiO4四面体連結仕方はそれぞれ異なっていて,ほかの鉱物への転移にあたっては,この連結が完全に切れて再構成されなくてはならない。これに対し,高温型から低温型への転移の場合には四面体の連結の仕方に変更はない。
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