改訂新版 世界大百科事典 「コーサイト」の意味・わかりやすい解説
コーサイト
coesite
化学組成SiO2の単斜晶系に属する鉱物。無色透明,ガラス光沢。モース硬度7.5,比重2.93。他のシリカ鉱物と違って,フッ化水素酸に難溶。1953年にコースL.Coes,Jr.によって温度500~800℃,圧力3万5000気圧で合成された。天然には1960年にアメリカ,アリゾナ州のバリンジャー隕石孔で発見された。この隕石孔は盆地状で,直径約1200m,深さ約170m。剪断(せんだん)・圧縮された二畳紀の砂岩中に非常に細粒のコーサイトが産出する。その後,世界各地の隕石孔からこの鉱物の産出が報告された。最近,南アのキンバーライト中のマントル起源のエクロジャイトからコーサイトが発見された。日本には産出しない。
執筆者:津末 昭生
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