シリンホト(読み)しりんほと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリンホト」の意味・わかりやすい解説

シリンホト
しりんほと / 錫林浩特

中国、内モンゴル自治区中東部の県級市。シリンゴル盟(二級行政区)の政府所在地で、政治・経済、文化、交通の中心地である。シリンホトとはモンゴル語で「高原の町」を意味する。もとは貝子廟(ばいしびょう)といった。人口26万3000(2015)。中華人民共和国成立後急速に発展し、漠南草原上の重要な町となった。石炭を産出するほか、じゅうたん、皮革毛織物、食品加工などの工場が多い。東は林西(りんせい)、南は張家口(ちょうかこう)、西はサイハンタルに自動車道が通じる。市街の外れにシリンホト空港があり、フフホトとの間に空路が開かれている。また、錫桑(しゃくそう)線(シリンホト―サンギンダライ)、錫多線(シリンホト―ドロン)、錫烏(しゃくう)線(シリンホト―ウランホト)、錫二線(シリンホト―西里)の起点である。周辺のシリン河沿いの草原は自然保護区に指定されている。

[河野通博・編集部 2017年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「シリンホト」の意味・わかりやすい解説

シリンホト (錫林浩特
)
Xilin Hot

中国,内モンゴル自治区東部の草原にあるシリンゴール(錫林郭勒)盟の都市。人口13万(1994)。今日ではアバグナル(阿巴哈納爾)旗と呼ばれる。シリンホトとはモンゴル語で〈平原の城〉の意味。かつては18世紀中ごろ建立のラマ寺院と数百のラマ僧がおり,貝子廟と呼ばれた。しかし,解放後は皮革,乳製品,農牧機械などの工業も発展し,また,自治区中部地方,東北地区,河北省などへの交通要地でもあり,盟の政経・文化の中心となっている。
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