日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンビルスク」の意味・わかりやすい解説
シンビルスク
しんびるすく
Симбирск/Simbirsk
ロシア連邦西部、ウリヤノフスク州の州都。ボルガ川中流クイビシェフ人造湖の西岸と、スビヤガ川の川岸にある港市。レーニンの生地。人口67万1700(1999)。ロシア革命(1917)後、重工業が発達し、自動車、重機械製造、電機工業と、食品、皮革、建設資材製造工業がある。1970年、レーニン生誕100年を記念して、レーニン・メモリアルセンターがつくられ、レーニンの家族が居住していた三つの家、レーニンに関係する各種記念品が集められている。教育大学、ホテルも立地する。また、市内にはレーニンが少年時代に住んでいた住宅が保存され、博物館になっている。教育・文化施設として、工科大学、農業大学、郷土博物館、美術館、人形劇場などがある。市の起源は1648年にロシアの要塞(ようさい)が建設されたことに始まり、19世紀には手工業(食品)、穀物、家畜、水産物、木材の取引中心、穀物積出し港として栄えた。1924年までシンビルスクの名でよばれ、レーニンの本名ウリヤノフを市名として採用、ソ連時代はウリヤノフスクとよばれたが、ソ連崩壊後ふたたび旧称に改めた。
[中村泰三]