ジュウシチネンゼミ(その他表記)Magicicada septendecim

改訂新版 世界大百科事典 「ジュウシチネンゼミ」の意味・わかりやすい解説

ジュウシチネンゼミ
Magicicada septendecim

半翅目セミ科の昆虫。この仲間は17年または13年という周期で出現することから周期ゼミperiodical cicadaとも呼ばれる。13年型,17年型のセミはそれぞれ3種が知られ,本種は後者の中の1種である。北アメリカのロッキー山脈より東側の平地にすみ,成虫は5~6月に出現する。出現する成虫の数はおびただしく,木に鈴なりになるほどで,地上は脱皮殻で埋めつくされる。体長20~30mm。体は黒色で,翅は透明翅脈赤橙色である。17年蟬といわれるように,卵から成虫まで17年かかり,しかもすべての個体がちょうど正確に17年後に現れる。やや南寄りの地方にはジュウサンネンゼミが分布し,ある地方では両タイプが混生する。17年タイプには13の年次集団,13年タイプには五つの年次集団が知られ,いくつもの年次集団が分布しているところでは毎年のように発生する。17(あるいは13)年というきわめて長い幼虫期をおくるようになった原因は,いろいろと推定されているがよくわかっていない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュウシチネンゼミ」の意味・わかりやすい解説

ジュウシチネンゼミ
Magicicada septendecim; seventeen-year cicada

半翅目同翅亜目セミ科。周期ゼミ periodical cicadaともいう。 17年という長い幼虫期間をもつことで有名なセミ。アメリカ合衆国中部および東部に分布する。体長 20~30mm。体は黒色で,翅は透明。羽化期にはほとんど一斉に地上に現れ,木に群がり,雄は金属音を含んだ「じー」という連続音で鳴く。 17年の幼虫期間をもつセミは他に近縁の2種があるが,鳴き声が異なるといわれる。また,3種それぞれに 13年周期型が知られている。

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