光が媒質中を通過するとき,その単色光成分のエネルギーが媒質に取り込まれる現象を光の吸収という。吸収の程度は媒質の種類や光の波長によって異なり,吸収の程度の小さい媒質を透明体,吸収の程度の大きい媒質を不透明体と呼んでいる。光の媒質中の透過が巨視的に見て屈折の法則に従う透過を光の正透過という。透明体は,光の透過が正透過で行われ,かつ高い正透過性の媒質である。このような透明体を通して物体を見るとき,物体の幾何学的形状がきわめて明りょうに見える。このような状態を透明という。したがって,透明は媒質とそこを透過する光の波長との相互関係で決定され,ある媒質は,可視光に対して透明でも赤外線に対して不透明でありうる。
→光吸収
執筆者:朝倉 利光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…湖水の透明さは,水を濁らせる有色物質と懸濁物質による光の吸収減衰により左右される。湖水の濁り度を定量的に測るものさしとしては,透明度transparencyが一般的に用いられている。これは直径約30cmの白色円板(考案者の名を用いセッキ円板ともいう)を水中に下げていき,水上から肉眼で円板が見えなくなる限界の深さで示す。…
※「透明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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