スキラ(読み)すきら(その他表記)Skylla

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スキラ」の意味・わかりやすい解説

スキラ
すきら
Skylla

(1)ギリシア神話に登場する女の怪物。カリブディスの対岸に住む。それぞれが三重の歯をもつ六つの頭と12の足をもち、船乗りを捕らえてはこれを食う。父はフォルキス、あるいはティフォン、トリトン、トリエノスともいい、母はヘカテエキドナ、クラタイイス、ラミアと諸説がある。もとは美しい少女であったが、海神グラウコスに愛されたことからキルケの嫉妬(しっと)を受け、その魔術で怪物にされたという。また一方で、彼女とポセイドンアンフィトリテ、さらに彼女とグラウコスとポセイドンとの三角関係から怪物にされたとの説もある。アルゴ船はテティス助力で無事通過したが、オデュッセウスは彼女に6人の部下を食われた。おそらく海の難所メッシーナ海峡と目される)の擬人化であろう。

(2)メガラ王ニソスの娘。ミノスのメガラ攻めの際、その甘言につられて父を裏切り、ミノスに協力するが、欺かれて殺されたのち、鳥に変身した。

[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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