スティクス(読み)すてぃくす(その他表記)Styx

翻訳|Styx

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スティクス」の意味・わかりやすい解説

スティクス
すてぃくす
Styx

ギリシア神話冥府(めいふ)を流れる川の名、またその女神。その渡し守カロンオケアノステテュスの娘で、ティタン族のパラスと結婚し、ゼロス、ニケクラトスビアを生む。またゼウスと交わってペルセフォネを、さらにペイラスとの間に怪物エキドナをもうけたともいわれる。ゼウスがティタン族と戦ったとき、子供たちとともに最初にゼウスに加担した功績から、神々は彼女の水にかけて誓言することが決められた。

 実際にもこの名を冠する川があり、その水にかけて誓いがなされた。アルカディアのケルモス山に水源をもつスティクス川がそれで、この河水は有毒とされ、アレクサンドロス大王が飲んで中毒死したという伝承もある。

[丹下和彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スティクス」の意味・わかりやすい解説

スティクス
Styx

ソ連海軍が 1956年に運用を開始した有翼式艦対艦巡航ミサイル。正式名は SS-N-2スティクス。 67年 10月 21日,エジプト海軍のオサ級ミサイル哨戒艇がアレクサンドリア港外で発射したスティクス・ミサイルがイスラエル海軍駆逐艦『エイラート』を撃沈し,各国海軍に大きな衝撃を与えた。以後各国海軍は艦対艦巡航ミサイルの開発に取組むようになった。誘導方式はセミアクティブ・レーダ式の無線誘導またはオートパイロット。主要目は,射程 42km,速度マッハ 0.9,全長 6.55m,直径 78cm,翼長 2.4m,発射重量 2.3t,推進方式固体ブースター付き液体燃料ロケット,弾頭は近接信管付き 513kg。

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