パラス(読み)ぱらす(英語表記)Pallas

翻訳|Pallas

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パラス」の意味・わかりやすい解説

パラス
ぱらす
Pallas

小惑星の名。1802年3月28日、ドイツオルバースによってケレスに次ぎ2番目に発見された。軌道長半径2.77天文単位、離心率0.237、軌道傾斜角34.8度で、小惑星帯のほぼ真ん中付近に位置する。大きさは直径608キロメートル、密度は1立方センチメートル当り2.6±0.9グラムと推定されている。自転周期は9~12時間、幾何学的アルベド反射能)は0.074、ケイ酸塩主成分と考えられている。

松井孝典

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラス」の意味・わかりやすい解説

パラス
Pallas, Peter Simon

[生]1741.9.22. ベルリン
[没]1811.9.8. ベルリン
ドイツの博物学者。ベルリン,ハレゲッティンゲンライデンの各大学で,自然科学,医学を学んだが,早くから博物学に興味を示した。 1761年イギリスに渡り,採集を勉強し,地質調査を行なった。 68年サンクトペテルブルグの国立科学アカデミーの博物学教授に任命され,同年ロシアとシベリアへの科学的探検に参加し,多くの資料を集め,地質学,植物学,民族学などに貢献した。 95年末クリミアにおもむいたが 1810年ベルリンに戻った。主著『ロシア各地への旅行』 Reisen durch verschiedene Provinzen des russischen Reichs (3巻,1771~76) ,『モンゴル民族に関する歴史的資料の収集』 Sammlungen historischer Nachrichten über die mongolischen Völkerschaften (2巻,76~1802) 。

パラス
Pallas

ローマ皇帝クラウディウス1世に仕えた解放奴隷。財政秘書官として実権握り,その富と傲慢な性格のため悪名を得た。のちの皇帝ネロの母アグリッピナ (小) には献身的で,その秘密の愛人であったともいわれ,クラウディウス帝の妃メッサリナの処刑後,アグリッピナを妃に推薦して成功,さらにネロを帝の養子にさせた。しかしネロの即位後,アグリッピナとともに権力の座より退けられ,ついにその莫大な富のためにネロによって処刑された。

パラス
Pallas

小惑星第2号。 1802年ウィルヘルム・オルバースが発見。直径約 520km。公転周期は 4.61年。のときの平均実視等級は 7.6等。

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