スピン偏極(読み)スピンヘンキョク

デジタル大辞泉 「スピン偏極」の意味・読み・例文・類語

スピン‐へんきょく【スピン偏極】

電子などの粒子スピンが、ある特定方向に偏ること。結晶内で隣接する原子のスピン偏極が交互に配列する場合、反強磁性を示す。スピン分極

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化学辞典 第2版 「スピン偏極」の解説

スピン偏極
スピンヘンキョク
spin polarization

スピン分極ともいう.ラジカル分子において,ラジカル中心以外の原子上に電子スピンが誘起する現象.メチルラジカルの電子スピン共鳴スペクトルにおいて,水素による超微細構造が出現する理由は,水素原子上にスピン偏極が生じているためである.アリルラジカルの中心炭素は半占軌道(SOMO)の節にあたるため,不対電子密度は0となるが,スピン偏極により負のスピン電子密度を有する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報