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スフール人 スフールじんSkhūl man

世界大百科事典 第2版の解説

スフールじん【スフール人 Skhūl man】

イスラエルのハイファ港の南20kmにあるカルメル山洞窟のうち,スフール洞窟から1929‐34年に英米合同調査団によって発掘された人骨。洞窟はタブーン洞窟と200mの至近距離にある岩陰遺跡で,そのテラスの堆積層から少なくも10体分の人骨(男性5,女性2,小児3体分)が発掘された。これらの人骨の古さはウルム氷期ではあるが,タブーン人より幾分新しく,ほぼ3万年前と推定され,文化的にはルバロア・ムスティエ文化をもっていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スフール人
すふーるじん
Skhul man

イスラエル出土の進歩的傾向をもつ旧人。1929~34年にイギリス・アメリカ合同の調査団はカルメル山のスフール洞窟(どうくつ)より、男性5体、女性2体、小児3体を発見した。ごく近くの洞窟から出土したタブーン人が典型的なネアンデルタール人的特徴を示していたのに対し、スフール人骨の頭蓋(とうがい)は高く、丸みを帯び、下顎骨(かがくこつ)にはやや発達した頤(おとがい)があり、乳様突起は大きいなど、現生人類的であったが、若干突顎(とつがく)で、眼窩(がんか)上隆起は発達していた。ムスティエ文化を伴い、旧人から新人への移行型とみなされている。[香原志勢]

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世界大百科事典内のスフール人の言及

【カルメル[山]】より

…また3洞穴からは化石人骨も発見されており,ホモ・サピエンスの起源に重要な問題を提起している。タブーン人骨,スフール人骨はほぼ近い年代のものであり,いずれもネアンデルタール人と考えられているが,タブーン人がヨーロッパ的な典型的ネアンデルタール人に近いのに対し,スフール人はネアンデルタール人からホモ・サピエンスへの移行型とされている。この差については種々の解釈がなされているが,いずれにせよホモ・サピエンスの発生の問題を解決する最重要の鍵となるものである。…

※「スフール人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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