日本大百科全書(ニッポニカ) 「スプルング」の意味・わかりやすい解説
スプルング
すぷるんぐ
Adolf Sprung
(1848―1909)
ドイツの気象学者。ペルレベルグ付近のクライノフに生まれる。若いころは薬剤師を志したが、1872~1876年ライプツィヒ大学で物理と化学を学び、教授ウィーデマンの勧めで気象学を専攻する。1876年夏よりハンブルク海洋気象台に入り、日々の天気予報業務に携わった。そのころ、台長の要請で気象学の教科書を書き、広く読まれ大きな影響を与えた。1886年からベルリン気象台に移り、そこの改造に尽力した。1892年4月からはポツダムの気象地磁気観測所の所長となった。彼はさまざまな気象観測機器の開発を試みている。よく知られているのはスプルングの自記水銀気圧計で、これは天秤(てんびん)を用いて水銀柱の重さを測る方式のものである。雲向・雲速を測るために、自動測雲写真儀なども考案した。
[根本順吉]