…広義には,天体運動に基づく時刻システムとしての天文時に対比する言葉で,原子振動に基づく物理的に一様な時刻システムの総称である。狭義には,個々の天文台や研究所でセシウム原子時計を基にしてそれぞれ独立に保たれる時刻システムをいう。セシウム原子がその二つのエネルギーレベル(3.0)と(4.0)の間を遷移するとき,そのレベル差に固有な周波数のエネルギーを放射または吸収する。…
…原子時計には,スペクトル線を利用する方法により吸収型(共鳴型)とメーザー型がある。前者は,スペクトル線の周波数に近いマイクロ波を発生させてこれを原子や分子にあて,両者の周波数が一致したときにマイクロ波の吸収が最大になることを利用するもので,セシウム原子時計,ルビジウム原子時計などがある。また,メーザー型は,スペクトル線を定める二つのエネルギー準位のうち上準位の原子や分子のみをマイクロ波空胴共振器中に集め,メーザー発振を生じさせることにより直接スペクトル線をとり出す方式で,アンモニアメーザー,水素メーザーなどによる例がある。…
※「セシウム原子時計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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