セルウィウス・ツリウス(英語表記)Servius Tullius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セルウィウス・ツリウス」の意味・わかりやすい解説

セルウィウス・ツリウス
Servius Tullius

伝説的な古代ローマ第6代の王(伝説では在位前578~前535)。ローマ市民を財産額に従って 5階級に分けて兵員会構成の単位とする,いわゆるセルウィウス制またはケンツリア制の創設者とされるが,一般にはこの体制はより後代のものと考えられている。伝説によれば,エトルリア人 (実際はラテン人だったらしい) で,第5代の王タルクイニウス・プリスクス奴隷から身を起こし,その娘をめとり王となった。王としては銀と青銅貨幣をつくらせ,ディアナ神殿セルウィウス城壁を建て,またラテン人との条約を結んだとされるが,その業績の多くは後代彼の名に帰しただけと思われる。娘ツリアとその夫で次のローマ王となったタルクイニウス・スペルブスに殺された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android