セルフパブリッシング(読み)せるふぱぶりっしんぐ(英語表記)self-publishing

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

編集者や出版社を介在させずに著者が制作や販売まで行う書籍の出版形態。電子書籍で多く行われる。著者が制作費用を負担し、出版社で編集者の手を経て出版する従来の「自費出版」と区別して「自己出版」ともよばれる。

 電子書籍が広まってきたことにより、出版に必要な費用はきわめて少なくなっている。また、インターネットに接続したコンピュータがあれば、著者自身が書籍を制作し、ISBNコードを取得したうえで流通に載せることができる環境も整いつつある。オンラインストアのアマゾンでは、独自の電子書籍リーダーキンドルの発売にあわせ、原稿さえあれば出版費用不要で電子出版ができるKDP(Kindle Direct Publishing)のサービスを開始した。ただし印税率が定められ、アマゾンへの手数料は発生する。アップル社も同様の電子出版ができる日本語マーケットを開設している。

 アメリカの出版市場調査会社バウカー社によれば、アメリカ国内で2011年にセルフパブリッシングされた書籍と電子書籍の合計は23万5000タイトルにのぼり、2006年比の287%増という急激な伸びをみせている。アメリカでは著名な作家が商業出版からセルフパブリッシングへ切り替えるケースや、作品ごとに出版方法を変えるケースがみられており、日本国内でも同様の出版形態が普及することが見込まれる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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