電子書籍(読み)デンシショセキ

デジタル大辞泉 「電子書籍」の意味・読み・例文・類語

でんし‐しょせき【電子書籍】

electronic book》電子化された書籍データ。紙に印刷するのではなく、スマートホンタブレット型端末、パソコン、専用の電子書籍リーダーなどにデジタルデータを取り込んで閲覧する。データの形式にはPDFJPEGのほか、EPUBXMDF.bookドットブックなどが使用され、文字以外に動画や音声を再生できるものもある。電書。デジタル書籍デジタルブック。eブック。
[補説]電子ブックはソニーの登録商標。

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共同通信ニュース用語解説 「電子書籍」の解説

電子書籍

文字や画像を電子データ化、インターネットを通じて端末から読むことができる出版物。いつでも入手でき、文字の大きさといった表示を操作できる特長がある。紙の本より低コストで作ることも可能とされている。米アマゾン・コムのタブレット端末キンドル」や、米アップルの端末「iPad(アイパッド)」などの普及もあり、日本の電子書籍・雑誌の市場規模は2013年度には1013億円(インプレス総合研究所調べ)となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「電子書籍」の意味・わかりやすい解説

電子書籍
でんししょせき

専用の端末や、タブレットスマートフォンなどの携帯端末、パソコンで読むことのできるデジタルデータ化された書籍。電子ブック、デジタル書籍、デジタルブック、Eブック、オンライン書籍ともよばれる。日本においては、1990年代よりCD-ROM(ロム)をメディアに使った電子書籍のリリースが始まった。ハードメーカーでは、1990年(平成2)にソニーが8センチメートルCD-ROMを使った「データディスクマン」を、1993年にはNECが3.5インチのフロッピーディスクを使った「デジタルブックプレーヤー」を発売した。ともに専用端末を使用するもので、コンテンツには辞典や実用書、趣味の書籍などが用意された。

 株式会社ボイジャーは電子出版専用のファイル形式を策定した「エキスパンドブック日本語版」を1993年7月にリリース、のちに日本語の縦書きやルビにも対応した電子書籍閲覧ソフトを開発した。同社は、1996年に「新潮文庫の100冊」をCD-ROMで発売するなど、この分野の先駆者となった。コンテンツ制作においては、株式会社イーブックイニシアティブジャパンが2000年(平成12)5月に設立され、電子書籍の配信を開始。2004年には松下電器産業(現、パナソニック)から電子書籍端末「Σ(シグマ)ブック」が発売された。

 今日のように電子書籍が普及する端緒となったのが、アメリカのネット通販会社であるアマゾンが2007年に発売した「アマゾン・キンドルAmazon Kindle」という専用端末の登場で、2009年より日本でも発売が開始された。アマゾンから購入した電子書籍は、専用アプリによってタブレット端末やスマートフォン、パソコンからも読むことができる。さらに、2010年にアップルが発売したタブレット端末、iPad(アイパッド)の大ヒットによって電子書籍の普及は加速した。

 2015年時点で、国内で電子書籍を販売するおもなストア(サイト)には、Kindleストア(アマゾン)、eBook(イーブック)Japan(イーブックイニシアティブジャパン)、honto(ホント)(トゥ・ディファクト)、楽天Kobo(コボ)(楽天)、Reader Store(ソニー)、紀伊國屋(きのくにや)書店ウェブストア(紀伊國屋書店)などがある。また、各出版社でも電子書籍販売ストアを開設しているところが増えている。

 電子書籍のフォーマットとしては、オープンソースのEPUB(イーパブ)とアドビが提供するPDFが普及している。日本語に向いた形式としては「.book(ドットブック)」(ボイジャー)、XMDF(シャープ)などがある。また、Kindleでは、AZWという独自規格が用いられている。それぞれの規格には、電子書籍ストアが無料で提供している閲覧用のアプリが対応しているので、ユーザーはフォーマットを意識しないで読むことができる。

[編集部 2016年4月18日]

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図書館情報学用語辞典 第5版 「電子書籍」の解説

電子書籍

従来は印刷して図書の形で出版されていた著作物を,電子メディアを用いて出版したもの.従来の図書とは異なり,〈1〉表示方式,出力方式を読者が自由に変更できる,〈2〉音声や動画を含めたマルチメディアにすることが可能である,〈3〉項目間にリンクを張ったハイパーテキストにすることが可能である,〈4〉コンピュータまたは専用の機械がなければ読むことができない,などの特徴がある.コンテンツはインターネットなどで頒布され,電子書籍専用端末,コンピュータ,スマートフォンやタブレット型端末などの携帯情報端末を用いて閲覧する.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

百科事典マイペディア 「電子書籍」の意味・わかりやすい解説

電子書籍【でんししょせき】

電子化・デジタル化されている書籍。フォーマットやデータ形式を問わず,電子化されている書籍のすべてをさす。従来は,電子ブックなどの呼称が用いられていたが,電子書籍を読むための機器が急速に多様化し,電子書籍の普及が進んでいるため,近年では書籍そのものをさす言葉としてこの言葉が一般的に用いられている。紙印刷でつくられた既刊書の電子書籍化も,アマゾン・ドット・コムグーグルなどの流通配信サービスの展開により各国で盛んになりつつある。また各国の国家図書館の蔵書のデジタル化も急速に進んでいる。とくに注目されるのは,EUが支援するヨーロピアーナ計画で,ヨーロッパ各国の図書館,博物館,文書館の協力の下,現時点で1000万点を超える膨大な量の電子書籍化が実現されており,さらに音声,映像,動画,絵画,手稿史料がデジタル化されている。→出版デジタル機構
→関連項目キンドル著作権電子出版電子出版権電子図書館

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パソコンで困ったときに開く本 「電子書籍」の解説

電子書籍

デジタル機器の画面で読む「書籍」です。既存の印刷物をそのままデジタルデータに変換したものから、デジタル機器の特性に合わせて映像や音が流れたり、文字サイズを変更できるようにしたもの、内容が自動的に更新されるものなど、いろいろなタイプの電子書籍があります。電子書籍は、独立したソフトとして提供されたり、「電子ブックリーダー」などと呼ばれる専用の端末やソフト向けにデータとして提供されたりします。電子ブックリーダー専用機器としては、米アマゾンの「Kindle」が有名です。iPadやiPhoneも、アプリを追加することでブックリーダーとして使えます。アプリは電子書籍の販売サービスごとに提供されており、サービスごとに入手可能な書籍が違います。通常は、著作権を保護するためにブックリーダーごとにコピー防止機能が採用されており、保護された電子書籍を別の会社のリーダーで読むことはできません。
⇨EPUB、iPad、iPhone、
Kindle、kobo、タブレット

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

IT用語がわかる辞典 「電子書籍」の解説

でんししょせき【電子書籍】

専用の電子機器(電子書籍リーダー)やパソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの画面上で読むことができる、本の内容をデジタルデータ化したもの。音声や動画なども収めることができる、紙の本のように場所をとらない、何冊分でも持ち歩けるなどのメリットがある。使用する機器にあらかじめ閲覧するためのソフトウェアをインストールし、インターネット上の書店で購入(著作権の切れた作品を無料提供するサイトもある)してダウンロードする。ファイル形式がEPUB(イーパブ)やドットブック、XMDFなど複数あり、それぞれソフトウェアが異なる。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「電子書籍」の解説

電子書籍

コンピューターなどで読む文章を中心とした電子出版物のこと。コンテンツは有料と無料のものがあり、インターネットからダウンロードして、携帯電話、パソコン、専用の電子書籍リーダーなどで閲覧する。当初は、既存の小説やマンガなどを電子化したものが主流だったが、最近では、ケータイ小説のように、最初からデジタルコンテンツとして制作されたものが増えてきている。出版社側は印刷や流通のコストがかからず、読者は紙の書籍に比べて安価で、本の収納に困らない、といったメリットがある。現在発売されている電子書籍リーダーとしては、Amazon.comの「Kindle」やBarnes&Noble社の「nook」などがある。

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