セレス(中国人)
せれす
Seres
紀元前1世紀ごろから、ギリシア人、ローマ人が中国人をよんだ名称。国名としてはセリカSericaが用いられた。元来「絹の生産者」を意味し、その中継貿易に従うタリム盆地のアーリア系住民をさすこともあった。同じく中国をさすシナイSinaeの名称は海上から、セレス、セリカは陸上から伝えられ、セレスは主として華北、華中を、セリカはおもに華南を示した。語源については定説はないが、一般には、絹を意味するセルserとかセリクムsericumなどに由来すると考えられている。
[護 雅夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例