ゼニタナゴ(読み)ぜにたなご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼニタナゴ」の意味・わかりやすい解説

ゼニタナゴ
ぜにたなご / 銭鱮
[学] Pseudoperilampus typus

硬骨魚綱コイ目コイ科に属する淡水魚。全長7~9センチメートルの小魚で、側線は不完全、ひげはない。平野部の浅い池沼やこれに連なる細流の水草茂みに多い。9~11月マツカサガイドブガイなどに産卵し、孵化(ふか)した仔魚(しぎょ)は翌春まで貝の中にとどまる。

[水野信彦]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼニタナゴ」の意味・わかりやすい解説

ゼニタナゴ
Acheilognathus typus

コイ目コイ科の淡水魚。体長 8cm内外。体は菱形で著しく側扁する。体の背方は緑褐色,側・腹面淡褐色を帯びた銀白色。各鱗のまわりが暗色なので,これが小さな網目斑紋に見える。浅い池や沼にすみ,水草や藻類を食べる。中部以北の本州に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のゼニタナゴの言及

【タナゴ(鱮)】より

…イタセンパラの生態の特徴は産卵期が秋季で,貝の中に産着された卵はその鰓葉内で孵化(ふか),発育しつつ越冬し,翌春5月ころに仔魚(しぎよ)が水中へ泳ぎ出すことである。秋季に産卵するタナゴ類はこのほかカネヒラA.rhombeaとゼニタナゴPseudoperilampus typusの2種がある。このうちのゼニタナゴも減少の著しい魚の1種と考えられる。…

※「ゼニタナゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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