日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャンココ」の意味・わかりやすい解説
チャンココ
ちゃんここ
長崎県五島(ごとう)列島の福江(ふくえ)島に伝わる念仏踊。五島市の上大津(かみおおづ)、下大津(しもおおづ)、本山(もとやま)、大浜、富江(とみえ)町などで旧盆の8月13~15日に行われる。頭に花笠(はながさ)または陣笠、腰にビロウの腰蓑(こしみの)を着け、腰太鼓を打ちながら円形で踊る。楽器は2人持ちの重鉦(おもがね)と小鉦で、チャンココの名はチャンが鉦の音、ココは太鼓の音だともいわれる。県の無形民俗文化財に指定される。伝説によると五島藩(福江藩)主の菩提(ぼだい)寺東光寺の住職が御法度(ごはっと)の妻帯の罪で責め殺され、その怨念(おんねん)が領主の家に災いしたので供養のために始められたという。現在は初盆の家を中心に集落内の家々、墓地、市内の通りが主であるが、以前は城中や領主菩提寺、武家屋敷も巡り庄屋(しょうや)宅で打ち上げとした。
[萩原秀三郎]