テンギュル

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テンギュル
てんぎゅる
bsTan 'gyur

丹殊爾(たんじゅる)と音写する。西蔵大蔵経(チベットだいぞうきょう)(チベット語訳の仏典の集成)の二大部の一、論書部をいう。「チベット語に翻訳した論書」の意に一般に理解されているが、9世紀前後のチベット人の著作も含まれている。カンギュル(仏説部)の諸経典に対する注釈書、各学派の仏教哲学書とその注釈書、五明処(ごみょうしょ)(古代インドの五つの学問)関係の論典と注釈書など仏説以外の論書を収載し、総論書数は3000余点に及んでいる。大乗仏教関係の論書の多くは9世紀前半、他の多くは11世紀前後以降にチベット語訳され、プトゥン(プトン。1290―1364)がそれらを体系的に編纂(へんさん)し直し、目録を作成して以来、各版本の構成は基本的に彼の体系に従っている。[原田 覺]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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