デュ・サーブル(英語表記)Du Sable, Jean-Baptist-Point

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デュ・サーブル」の意味・わかりやすい解説

デュ・サーブル
Du Sable, Jean-Baptist-Point

[生]1750? サンドマング,サンマルク
[没]1818.8.28. アメリカ合衆国,ミズーリ,セントチャールズ
アメリカ合衆国の黒人開拓者,貿易商。のちのシカゴとなる入植地を築いた。サンドマング(のちのハイチ)に移住したフランス人の父親が,現地の黒人女性と結婚して生まれた。母親は自由民だったとされる。1770年代に北アメリカの五大湖地方に渡り,アメリカインディアンのポタワトミ族の妻とともに,シカゴ川河口のミシガン湖岸に定住した。アメリカ独立戦争中,アメリカ軍に忠誠を示したことから 1779年にイギリス軍に捕えられ,マキノー砦(→マキノー島)に連行された。1780~83,84年までセントクレア川沿いのパイナリー(のちのミシガン州)でイギリス軍のため交易所を運営したのち,シカゴに戻った。デュ・サーブルがシカゴに開いた交易所は,1790年には近隣地域の毛皮・穀物取り引きの一大拠点となった。1800年,シカゴを引き払ってミズーリ州に移り,農業と貿易業を営んで余生を過ごした。ミシガン湖岸で暮らした 20年の功績から,シカゴ創設の父と称された。

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