トランシルヴァニア(その他表記)Transilvania/Ardeal[ルーマニア],Erdély[ハンガリー],Siebenbürgen[ドイツ]

山川 世界史小辞典 改訂新版 「トランシルヴァニア」の解説

トランシルヴァニア
Transilvania/Ardeal[ルーマニア],Erdély[ハンガリー],Siebenbürgen[ドイツ]

ルーマニア中部から北西部,カルパティア山脈に囲まれた地域。多民族混住地域。前1世紀ダキア王国領だったが,106~271年ローマ属州となり民族移動期を迎える。12世紀にはハンガリー王国領に入り,セーケイ人やドイツ人が入植マジャル人貴族とともに特権階級を形成。16世紀オスマン帝国の宗主権下に独立した公国となり,宗教改革期には宗教的寛容で知られる。17世紀ハプスブルク領となり,1867年アウスグライヒ以降ハンガリー王国に編入。ルーマニア民族運動が高まり,第一次世界大戦後ルーマニアに統合されたが,第二次世界大戦中北部はハンガリーに割譲,戦後再びルーマニア領となった。チャウシェスク時代以来のハンガリー系を中心とする少数民族問題が,東欧革命以降も続いている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android