ヨーロッパのイベリア半島中北部を西流する川。スペイン語名ドゥエロDuero。ドーロはポルトガル語名。スペインのカスティーリャ・イ・レオン地方ソリア県のウルビオン山に端を発し、ソリア、アランダ・デ・ドゥエロ、サモラなどの都市に沿って西流する。支流ピスエルガ、エレスマ、エスラなどの諸河川と合流し、いったん南西に屈曲してスペインとポルトガルの国境をなしたのち、ふたたび西に向かい、ポルトの南から大西洋に注ぐ。全長895キロメートル。
半島中央高地の乏水地帯を流れるため、支流の多いわりには水量は豊富でない。また流域が乾燥地域のため、流量の季節変化が大きい。エスラ川との合流点付近には大規模の貯水池が設けられ、ポルトガル・スペイン両国で電力資源開発が行われている。ポルトガル側の上流域のアルト・ドーロ地方では両岸に階段上のブドウ畑が並び、ポートワインの原料産地となっている。
[田辺 裕・柴田匡平]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...