ナイフ形石器(読み)ないふがたせっき

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ナイフ形石器

日本列島全域で出土する、旧石器時代(約4万年~1万5千年前くらい前)を代表する石器。形状がナイフに似ていることから命名された。片側に鋭い刃があり、柄を装着して獲物の肉に突き刺したり切ったりするのに使われたとみられる。列島各地で様々な形態がある。

(2016-02-16 朝日新聞 朝刊 埼玉全県・2地方)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ナイフ形石器
ないふがたせっき

ナイフの身のような形をし、刺突(しとつ)、切断などに使われた先土器時代の代表的な石器。片側縁に石塊から打ち剥(は)がされた際にできた鋭い刃を残し、他の側縁をナイフの背のように整形するのが特徴である。この背にあたるところに手を当て、物を切ったり削ったりしたものと考えられる。また一部のナイフ形石器は木や骨の柄(え)にはめ込まれ、槍(やり)の穂先として使用されていたようである。
 ナイフ形石器は、先土器時代にもっとも盛んに用いられた道具で、大きさは10センチメートルほどのものが一般的であり、時期あるいは地域によってもさまざまな形や作り方がある。関東および九州地方では両側縁に背をつけたもの、瀬戸内地方には片側縁に背をつけたもの、そして東北地方では石器の基部に加工を施したものと、大きく三つの地域差が認められる。また、先土器時代の終末へと向かって、小形のナイフ形石器が多く用いられていったようである。[戸沢充則]

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世界大百科事典内のナイフ形石器の言及

【石器】より

… 日本でも石刃技法が盛んであったが,縦長な剝片である石刃に対して横長な剝片を組織的に作りだす〈瀬戸内技法〉も編みだされた。石刃,剝片類を加工して作る石器類にナイフ形石器,切出形石器,彫器,削器,搔器,台形石器がある。ナイフ形石器は鋭い縁と先端をもつ,切る・削る道具であるが,その特徴から遺跡名のつけられた杉久保型,茂呂型,国府型ナイフがある。…

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