先土器時代(読み)せんどきじだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先土器時代」の意味・わかりやすい解説

先土器時代
せんどきじだい

日本の縄文以前の時代をさす。無土器時代先縄文時代ともいうが,旧石器時代と呼ばれることが一般的になりつつある。その時期は日本における人類文化出現から縄文土器の出現直前までである。更新世旧石器文化と,更新世から完新世初頭に存在したと考えられる細石器文化とを含み,さらに新石器文化の無土器の時代も含まれる。この時代の存在は,1949年群馬県岩宿遺跡で縄文土器よりも下位地層から石器が発見されたことにより明らかとなった。石器の多くは,関東地方では関東ローム層から,その他の地域ではそれに相当する地層から出土している。

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百科事典マイペディア 「先土器時代」の意味・わかりやすい解説

先土器時代【せんどきじだい】

1949年,群馬県岩宿遺跡発掘によって確認された,縄文文化に先行する日本列島の旧石器時代名称。世界の旧石器時代に相当する最古の石器時代を,日本列島独自の文化が展開しつつ,縄文時代へ継続したという意味で,こう名付けられた。しかし,〈先土器〉は,世界史的にみると,時代区分名称としては矛盾があるとして,現在では旧石器時代が一般に使用されている。また最近,最初の発見地である岩宿遺跡にちなんで,岩宿時代と称する研究者もいる。

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世界大百科事典(旧版)内の先土器時代の言及

【先縄文時代】より

…日本考古学の時代名称で,縄文時代に先行する時代をいう。先土器時代,無土器時代などの別称もある。しかし現在では,旧石器時代とよぶ人の方が多い。…

※「先土器時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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