翻訳|hydroplaning
降雨などのため表面に水膜の張った舗装路を、自動車が高速で走るとき、ハンドルもブレーキも効かなくなる危険な状態をいう。アクアプレーニングaquaplaningともいう。もともとは、ハイドロプレーンは水上飛行機や水上滑走艇の、アクアプレーンは今日の水上スキーやサーフボードの古い呼び方で、いずれも水面を滑るという意味である。水膜の張った舗装路を高速で走ると、タイヤの踏面と路面との間の水が逃げる余裕がなくなり、ちょうど潤滑油の上を滑るような状態になり、走行も制動も効かなくなるのである。その発生の状況は、舗装表面、水膜の厚さ、タイヤの種類や減りぐあいと空気圧、車重、車速などによって変わってくるが、実験によれば車重10トンを超える大型バスでもおこることが確認されている。ハイドロプレーニングはしばしば重大な交通事故の原因となるので、雨天時には晴天時よりも大幅に速度を抑えるよう心がけたい。
[高島鎮雄]
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… なお,特殊なタイヤとして,雪路上でも走行できるように設計されたスノータイヤや,スノータイヤのトレッド面にスパイクを埋め込んで凍結路でも走行できるようにしたスノースパイクタイヤ(単にスパイクタイヤということが多い)があるが,後者は粉塵の発生が問題になっている。
[タイヤの特殊現象]
自動車の安全運転に関係するタイヤの特殊な現象にスタンディングウェーブstanding waveとハイドロプレーニングhydroplaningと呼ばれる現象がある。前者は高速で走行するとき,タイヤ接地部の後方が波状に変形する現象で,タイヤの空気圧が低く,過積載によりタイヤ荷重が異常に大きい状態で高速走行すると発生することがある。…
※「ハイドロプレーニング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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