改訂新版 世界大百科事典 「バイエル会社」の意味・わかりやすい解説
バイエル[会社]
Bayer AG
ドイツの大手総合化学会社の一つ。本社,ケルン近郊のレーバークーゼン。1863年バイエルFriedrich Bayer(1825-80)とベスコットJohann WeskottによりFriedrich Bayer& Co.としてブッパータールに設立。当初はアニリン染料の製造からスタートし,80年代にはヨーロッパ一円に販売網を整え,91年にはレーバークーゼンに本社を移転した。19世紀末に医薬品事業に進出,99年解熱剤アスピリンを発売。1925年バーディッシュ・アニリン・ウント・ソーダ工業社(現,バスフ(BASF)社),ヘキスト染料社(現,ヘキスト社)などと合同し,イーゲー・ファルベン社を結成し,バイエル社の社長であったデュイスベルクCarl Duisberg(1861-1935)がイーゲー・ファルベン社の社長に就任した。第2次大戦後は,連合国軍の命令によりイーゲー・ファルベン社は解体され,52年継承会社の一つとして,Farbenfabriken Bayer AGとして再発足した(1972年に現社名に変更)。1950年代末には石油化学分野に進出したが,70年代以降は医薬,農薬などの高付加価値製品の分野に力を注いでいる。企業買収や海外での事業活動も積極的に進めている。売上構成は医薬品31%,先端素材20%,農薬20%,化学品20%など(2004)。日本には在日法人のバイエルがある。売上高298億ユーロ(2004年12月期)。
執筆者:清水 敏聖
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報