改訂新版 世界大百科事典 「ブッパータール」の意味・わかりやすい解説
ブッパータール
Wuppertal
ドイツ西部,ノルトライン・ウェストファーレン州の都市。人口36万1077(2004)。1929年ブッパー川沿岸のエルバーフェルトElberfeld,バルメンBarmen両市と他3市が合併し,翌年現行市名となる。15世紀に,硬度の低いブッパー川の水を利用する亜麻糸漂白業がエルバーフェルトとバルメンに成立し,1527年漂白業者のツンフトが結成された。19世紀以降は繊維を基軸に金属,機械,化学,ゴム,製紙,食品等の多様な工業が行われ,ラインラント,ウェストファーレンの工業化を担う経営者,技術者も多数生み出した。エルバーフェルト(商業,金融業)とバルメン(工業)の二重性が今日なお当市の性格を規定している。またエルバーフェルトは改革派教会最大の拠点であった。F.エンゲルスはバルメンの織物工場主の子である。1901年ブッパー川の上を通る懸垂式モノレール(約13km)が開通。ザンクト・ラウレンティウス教会(1832)は古典主義的教会建築の遺例。
執筆者:渡辺 尚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報