改訂新版 世界大百科事典 「バシサーモグラフ」の意味・わかりやすい解説
バシサーモグラフ
bathythermograph
BTと略称し,自記水温水深計と訳す。航走中の観測船からワイヤで降ろし,約300m深度までの海水温を水圧とともに機械の内部にあるガラスなどに連続的に記録させる測器で,1938年にアメリカのスピルハウスA.F.Spilhausによって考案された。54年に岩宮政雄によって国産化され,その後の20年間に1万3000点以上の北太平洋の観測値が海上保安庁に報告されている。近年は機械式の代りに,直径100μmの2本の銅線を接着した細線をほどきながら自由落下する使い捨てのサーミスター温度計expendable bathythermograph(略称XBT)が多用される。XBTの深度は落下時間から算出する。航空機から投下するAXBTも使用される。
執筆者:平 啓介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報