バプテスト派(読み)バプテストは(英語表記)Baptists

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バプテスト派」の意味・わかりやすい解説

バプテスト派
バプテストは
Baptists

17世紀初頭イギリスの清教徒内部から興ったプロテスタントの一教派。その起源カルバン主義に立つものと,アルミニウス主義に立つものとの2派があり,別々に宣教していたが,ニュージーランド,アメリカなどの各地で連合体を組織し,現在では長老派,組合派と並ぶプロテスタント三大教派の一つとなっている。アメリカでは,南部バプテストとアメリカン・バプテストの二大連合体があって,アメリカ最大の教派をなしている。ヨーロッパでは 1834年にオンケンによってドイツにバプテスト教会が創設され,北ヨーロッパ,オランダ,とりわけロシアに広まっていった。この派の特徴は,(1) 信仰個条をもたず聖書のみを信仰の規準とし,(2) 洗礼浸礼,すなわち全身を水に浸すものとし,幼児洗礼を認めず,(3) 自覚的信仰告白者のみを教会員とし,(4) 教職を認めず万人祭司主義に立ち,(5) 各個教会の自主独立を認め,(6) 国家と教会の分離を主張していることなどである。

バプテスト派[日本]
バプテストは[にほん]

日本におけるバプテスト派布教の歴史は,万延1 (1860) 年アメリカ北部バプテスト系の J.ゴーブルの横浜上陸に始る。同地や東京に浸礼教会が設立され,関東学院などが創立された。 1889年南部バプテスト系の宣教師が大阪に渡来,大阪浸礼教会を立て,さらに九州に発展し西南学院などを設けた。北部系を東部組合,南部系を西部組合と称したが,1939年両者は合同。日本基督教団結成時 (1941) にはこれに参加した。第2次世界大戦後,旧西部組合系は脱退して日本バプテスト連盟を (47) ,旧東部組合系は教団内に新生会を設立したが,その一部は教団から離れて日本バプテスト同盟を組織した (59) 。ほかにバプテスト系の小団体が若干ある。

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