ヒラサザエ(英語表記)Astraea japonica; Japanese star-shell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒラサザエ」の意味・わかりやすい解説

ヒラサザエ
Astraea japonica; Japanese star-shell

軟体動物門腹足綱リュウテンサザエ科。殻高 9.5cm,殻径は 12.5cmで老成すると 16cmに達する。殻は厚質堅固で円錐形,螺層は8階,各層は平たくふくらまない。殻表は赤褐色ないし暗緑褐色で,皺状の肋が前下方へ走る。また,各螺層の縫合と体層の周縁に 15内外の扁平な管状突起がある。殻底は平らで 12~15本の螺肋がある。殻口は四辺形状で前下方に傾き,内唇は滑層が広がり,軸唇も厚くなり,くぼんだ臍孔をおおう。ふたは石灰質で卵形外面はふくらみ,内面は黒褐色で,少旋型。青森県より和歌山県,また日本海沿岸および朝鮮半島の潮間帯下から水深 50mまでの岩礁にすむ。貝ボタンの原料とされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒラサザエ」の意味・わかりやすい解説

ヒラサザエ
ひらさざえ / 平栄螺
Japanese tent shell
[学] Pomaulax japonicus

軟体動物門腹足綱リュウテンサザエ科の巻き貝房総半島から紀伊半島にかけての太平洋側と日本海西部に分布し、潮間帯下の岩礁にすむ。殻高9.5センチメートル、殻径12.5センチメートル。正円錐(えんすい)形で、殻表は粗くやや橙(だいだい)色を帯びる。底面は平らで強い螺肋(らろく)がある。周縁には平らな棘(きょく)状突起があり歯車状。蓋(ふた)は丸みのある菱(ひし)形で石灰質である。肉は食用とされ、殻は貝ボタンの原料になる。

[奥谷喬司]

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