ビヒダス菌(読み)びひだすきん

日本大百科全書(ニッポニカ)「ビヒダス菌」の解説

ビヒダス菌
びひだすきん
[学] Bifidobacterium bifidum (Tissier) Orla-Jensen

不規則形無胞子グラム陽性桿菌(かんきん)のグループに属するビフィドバクテリウム属の細菌。ビフィズス菌ともよぶ。細胞は基本的には桿状であるが、分岐してY型またはV型となるほか、棍棒(こんぼう)状、へら状となる。0.5~1.3×1.5~8マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)。これらの形態は培養条件によって異なるが、いずれの場合も菌糸はつくらない。グラム陽性の細菌で、胞子は形成せず、鞭毛(べんもう)もなく、運動性はない。偏性嫌気性菌。ブドウ糖から主として3:2の割合で酢酸と乳酸を発酵するが、酪酸プロピオン酸は生産しない。生育適温は36~38℃。好気的培養ではただちに死滅するが、二酸化炭素の環境下でよく生育する。

 ビヒダス菌は動物の消化管に常在する菌である。とくに母乳で育った乳児の腸管内には、ただちに定着することが知られており、乳児の健康の指標とされている。すなわち、ビヒダス菌には腸内の有害菌の増殖を抑える働きがあるため、ビヒダス菌が存在すれば、腸内感染症にかかりにくいというわけである。

[曽根田正己]

『細野明義編『発酵乳の科学――乳酸菌の機能と保健効果』(2002・アイ・ケイコーポレーション)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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