ビルカとホーヴゴーデン

世界遺産詳解 「ビルカとホーヴゴーデン」の解説

ビルカとホーヴゴーデン【ビルカとホーヴゴーデン】

1993年に登録されたスウェーデンの世界遺産(文化遺産)。ビルカは、首都ストックホルム西方約25km、メーラレン湖のビョルケー島にあるバイキングの都市遺跡ハンブルク=ブレーメン大司教アンスガールの弟子リンベルトが875年以前に著した『聖アンスガール伝』にこの都市が登場することから、ビルカはそれ以前に町として形成されていたことがわかっている。この遺跡には2500もの墳墓が含まれ、そのうち1100基あまりが発掘され、9世紀の墓を中心に、北ヨーロッパ、ビザンチン帝国、中国からの渡来品が副葬品として出土しており、バイキングが幅広く交易を行っていたことを物語っている。また、この発掘から、ビルカは10世紀末以降に何らかの理由で消滅したと考えられている。一方、ホーヴゴーデンは、ビルカと同じくメーラレン湖に浮かぶアデルスユー島に残る都市遺跡である。ビルカ周辺と同様、バイキング時代の数千におよぶ墳墓がある。中世のバイキングの文化や伝統、彼らの建築様式や技術を知る手がかりとして、たいへん重要なことから世界遺産に登録された。◇英名はBirka and Hovgården

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android