ピグトウガイ(英語表記)Fusconaia undata; pig toe shell

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピグトウガイ」の意味・わかりやすい解説

ピグトウガイ
Fusconaia undata; pig toe shell

軟体動物門二枚貝綱イシガイ科。別名ブタノツメ。淡水産。殻長 6.5cm,殻高 6.2cm,殻幅 4.5cm。殻は丸みのある四角形,きわめて重厚堅固で,殻頂はふくらみが強い。殻表は黄褐色で,個体により濃色の放射帯が現れ,またいぼ状のふくらみが生じることもある。内面は強い真珠光沢がある。両殻の噛み合せの歯状突起は大きく,強い。アメリカ,ミシシッピ川上流域にすむ。本種の殻を輸入して,真珠養殖の際にアコヤガイの体内に外套細片とともに挿入して「核玉」とし,そのまわりに真珠層を巻かせる。ボタンの材料にもなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピグトウガイ」の意味・わかりやすい解説

ピグトウガイ
ぴぐとうがい
pig toe
[学] Fusconaia undata

軟体動物門二枚貝綱イシガイ科の二枚貝。ブタノツメガイともよばれる淡水産種で、北アメリカのミシシッピ川の上流にすむ。殻高62ミリメートル、殻長65ミリメートルに達し、殻はシジミ型で厚く、殻長部はよく膨らみ、前縁は丸く、後縁はややまっすぐで大きいしわがある。この形がブタの趾(あし)を連想させるのが名の由来である。殻表は黒褐色の殻皮をかぶる。内面は強い真珠光沢があり、大きくて強いかみ合せの歯がある。殻は養殖真珠の核やボタンの材料として近似の他種とともに多量に輸入されている。

[奥谷喬司]

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