出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…アコヤガイなどの貝類の体内に,その貝殻と同質の炭酸カルシウムを主成分として形成された球状あるいは不定形の物質をいう。農水省では,(1)真珠養殖事業法にいう真珠とは,生きた真珠貝の中で球状または半球状(多少の変形を含む)に形成される代謝生産物であって,かつ,この外見しうる部分の主たる構成物質が,真珠貝の真珠層と等質であるものをいい(その内部に貝殻質から作られた核を含むか否かは関係ない),(2)この場合,真珠貝中におけるその形成契機に,まったく人為的な要因を含まないものを天然真珠といい,その契機を人為的に与えられるものを養殖真珠というと定めている。ここで真珠貝と称しているものは,真珠を作る貝を意味し,海産の貝ではアコヤガイ,クロチョウガイ,シロチョウガイ,マベ,アワビ,淡水産の貝ではイケチョウガイなどすでに産業に用いられている貝類をさしている。…
…天然真珠はアコヤガイ,アワビ,カラスガイなどに,まれではあるが自然にできるもので,昔から装飾品として珍重されてきた。アコヤガイに人工的に真珠の核となる貝殻の小片を挿入して真珠層を生成させる養殖真珠の技術が確立して以来大量生産が可能となり,日本の独占的産業として発展してきた。真珠は大玉,中玉,小玉,厘玉のサイズ別に,またピンク系やホワイト系など7基調色に分けられ市場に出る。…
…またタイ,ハマチ,真珠の養殖が行われている。とくに浅茅湾を中心とする真珠養殖は,大正期に島外業者によって導入されたもので,第2次大戦後急速に伸びて地元民による養殖も行われており,養殖真珠の日本三大産県の一つである長崎県の総収獲量の約4割を占めている。地下資源は亜鉛,鉛を埋蔵し,東邦亜鉛が厳原町佐須地区の対州鉱山で採掘し精錬していたが,カドミウム公害の発生もあって73年に閉山し,めぼしい鉱工業は島から消えた。…
※「養殖真珠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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