ピリン疹(読み)ぴりんしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピリン疹」の意味・わかりやすい解説

ピリン疹
ぴりんしん

解熱鎮痛剤として用いられているアンチピリンアミノピリンスルピリンなどのピリン剤による薬疹で、人によって症状が異なることがある。固定薬疹として生ずることがもっとも多い。すなわち、一定部位円形の紫赤色斑(はん)を発生し、ひりひりした感じをおこさせることが多い。水疱(すいほう)を生ずることもある。このほか、じんま疹麻疹はしか)様紅斑、紅皮症、粘膜皮膚眼症候群として現れることもある。

[伊崎正勝・伊崎誠一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のピリン疹の言及

【アンチピリン】より

…アミノピリンと同じく,ピラゾロン誘導体,いわゆる〈ピリン系〉薬剤で,現在ではその使用は急速に低下しアスピリンのほうに比重が移っている。分子の化学構造からみてアミノピリンとよく似ているが,アミノピリンでみられるような致命的な副作用,すなわち無顆粒球症が誘発される危険はいちおうないものとされており,またアスピリンでみられるような消化性潰瘍の副作用もないが,ピリン疹の名で知られる皮膚の発疹をおこすことが類似の薬物のなかでは最も多い。薬疹【鶴藤 丞】。…

【解熱鎮痛薬】より

…このような作用形式上の若干の違いの理由としては,組織,器官によってシクロオキシゲナーゼの阻害のされ方が違うためであろうと考えられるような実験結果も報告されている。アンチピリンは,人によっては副作用として,いわゆるピリン疹の名で知られる特有の発疹を皮膚に生ずることがある。アスピリンもピリンという名称をもち,ときに副作用として皮膚症状を引き起こすことがあるが,ピリン疹とは別のものである。…

※「ピリン疹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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