日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンチピリン」の意味・わかりやすい解説 アンチピリンあんちぴりんantipyrine 解熱・鎮痛剤。1884年ドイツで創製され、ヘキスト社より発売された。ピリン剤の原形で、わずかに苦味を有する無臭の白色結晶性粉末。副作用として発疹(ほっしん)や発赤(ほっせき)などの過敏症状をはじめ、悪心、嘔吐(おうと)、食欲不振、血液障害、肝障害、腎(じん)障害がまれにみられる。この副作用を緩和し、効力の増強を図ったのがアミノピリン、イソプロピルアンチピリン、スルピリンであり、現在ではアミノピリンと同様、あまり使われていない。劇薬で、常用量は1回0.3グラム、1日0.6グラム、極量は1回1グラム、1日3グラムである。[幸保文治] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例