主としてピラゾロン系解熱・鎮痛・消炎剤をいう。アミノピリンが代表的薬物で、このほかに、アンチピリン、イソプロピルアンチピリン、スルピリン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ケトフェニルブタゾン、クロフェゾンなどがある。
ピリン系薬剤の特徴は、効果も大であるが副作用として過敏症、発疹(ほっしん)、アレルギーなどが多くみられることで、かつては解熱・鎮痛剤としてかぜ薬に繁用され、一般用薬のかぜ薬はピリン系と非ピリン系に分類されていた。しかし、アミノピリンは実験的に亜硝酸と反応して発癌(はつがん)物質であるジメチルニトロソアミンを生成し、この反応が動物の消化管中でもおこることがわかり、欧米ではもはや使用されておらず、日本でもアミノピリンの一般用医薬品への使用が禁止され、かぜ薬も非ピリン系のみとなった。なお、イソプロピルアンチピリンやスルピリンについては発癌性の報告はない。また、アスピリンはアセチルサリチル酸製剤で、ピリン系薬剤ではない。
[幸保文治]
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