フィルターバブル(読み)ふぃるたーばぶる(その他表記)filter bubble

デジタル大辞泉 「フィルターバブル」の意味・読み・例文・類語

フィルター‐バブル(filter bubble)

インターネットで、利用者が好ましいと思う情報ばかりが選択的に提示されることにより、思想的に社会から孤立するさまを表す語。サーチエンジンなどの学習機能によって、利用者の望む情報が優先され、望まない情報から遠ざけられる様子を、泡の膜に包まれている状態にたとえたもの。米国の活動家イーライ=パリサーが自著で用いた造語。→フィルター4

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

図書館情報学用語辞典 第5版 「フィルターバブル」の解説

フィルターバブル

インターネット上の検索エンジンSNSを通して得られる情報が,検索エンジンやSNSの利用履歴を用いたアルゴリズムによって,個々の利用者向けに最適化された情報(パーソナライズされた情報)となり,その個人が好まないと思われる情報に接する機会が失われる状況にあることを示す造語.2011年にパリサー(Eli Pariser 1980- )が提唱した.賛同する意見ばかりに囲まれることで政治的・宗教的な動きが先鋭化していくリスクや,自分の意に沿わない新しい情報が届かなくなるリスクが指摘されている.図書館にとっては,広い意味での情報リテラシー教育ないしメディアリテラシー教育の必要性を迫る問題と位置付けられる.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

知恵蔵mini 「フィルターバブル」の解説

フィルターバブル

インターネットで日々どのようなキーワードを検索するかが自らにフィルターのように働き、自分の好みに合った情報ばかりが表示されることで、多様な情報や自身と相容れない意見などに触れる機会が失われている状態。米国のインターネット活動家であるイーライ・パリサーが2011年に提唱した概念で、好みの情報の「泡」に閉じ込められ、外の世界から遮断されている様を表す造語。パリサーは、閉ざされた世界で似たような意見ばかりに触れていると、その考えが極端化したり、絶対的に正しくて他の意見はすべて間違っていると思い込んだりする「エコーチェンバー現象」が起こり、社会の分断化が進むとして警鐘を鳴らしている。

(2021-1-14)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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