フラビンモノヌクレオチド

化学辞典 第2版 の解説

フラビンモノヌクレオチド
フラビンモノヌクレオチド
flavin mononucleotide

riboflavin 5′-phosphate.C17H21N4O9P(456.35).略称FMN.フラビン酵素に含まれる補欠分子族の一つで,生体の酸化還元系で電子伝達の役目を果たす.リボフラビンを水とオキシ塩化リンの等モル反応液でリン酸化すると,容易に合成できる.黄色の結晶.λmax 260,370,450 nm で,蛍光の発光極大は536 nm である.水に易溶,エタノールに微溶.還元すると無色のロイコ型になる.FMNを補酵素とする酵素には,L-アミノ酸オキシダーゼ,グリコラートデヒドロゲナーゼ,NADPHデヒドロゲナーゼ([別用語参照]ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)などがある.[CAS 146-17-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 の解説

フラビンモノヌクレオチド

 C17H21N4O9P(mw456.35).

 FMNと略す.還元型をFMNH2と記す.リボフラビン5-リン酸ともいう.体内酸化還元酵素の補酵素として機能する物質.ビタミンB2から作られる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフラビンモノヌクレオチドの言及

【FAD】より

…260nm,375nm,450nmに吸収極大をもち,肉眼的には黄色を呈している。生体内ではFMN(フラビンモノヌクレオチド)とATP(アデノシン三リン酸)からFADピロホスホリラーゼ(FMNアデニリルトランスフェラーゼ)によって合成される。生体内においては,ピリジンヌクレオチドと並んで,多くの電子伝達系酵素反応に重要な役割を演じているが,中でもD‐アミノ酸酸化酵素,グルコースオキシダーゼ,各種酸素添加酵素の反応がよく知られている。…

※「フラビンモノヌクレオチド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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