リボフラビン

デジタル大辞泉 「リボフラビン」の意味・読み・例文・類語

リボフラビン(riboflavin)

ビタミンB2の化学名。

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精選版 日本国語大辞典 「リボフラビン」の意味・読み・例文・類語

リボフラビン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] riboflavin ) ビタミンB2の化学名。

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化学辞典 第2版 「リボフラビン」の解説

リボフラビン
リボフラビン
riboflavin

7,8-dimethyl-10-D-ribitylisoalloxazine.C17H20N4O6(376.37).ビタミン B2 ともいう.動物の成長促進因子.現在は2-アミノ-4,5-ジメチル-1-リビチルアミノベンゼンとアロキサンとの縮合により生産されている.黄色の結晶性粉末.分解点280 ℃.-112°(0.1 mol L-1 水酸化ナトリウム),-122°(水).λmax 220~225,267,374,475 nm(0.1 mol L-1 塩酸).pK1 3.57,pK2 9.50(35 ℃).熱に対して安定であるが,紫外線により強い緑色の蛍光を発して不可逆的に分解し,アルカリ性ではルミフラビンに,中性酸性ではルミクロムになる.水溶液は黄緑色の蛍光を発し,還元すると無色のロイコフラビンになり,空気にさらして酸化するとふたたびフラビンに戻る.リボフラビンは,アミノ酸オキシダーゼ,NADHデヒドロゲナーゼ,キサンチンオキシダーゼなどでFADまたはFMNの形で補酵素として機能し,細胞呼吸,水素および電子伝達に重要な作用をしている.この欠乏症としては,口唇の障害,口角炎,顔面の局所性脂漏性皮膚炎,特殊な舌炎,眼球機能障害などがある.[CAS 83-88-5]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リボフラビン」の意味・わかりやすい解説

リボフラビン
りぼふらびん
riboflavin

ビタミンB複合体に含まれる耐熱性の成長促進因子で、ビタミンB2別名。ビタミンGともよばれた。黄褐色の結晶で、水にわずかに溶け、光により分解する。牛乳肝臓卵黄のほか、酵母米糠(こめぬか)に多く含まれる。牛乳中の蛍光物質として19世紀末にすでに知られていた。1933年、ドイツの生化学者R・クーンが結晶分離してフラビンと命名し、同じころO・H・ワールブルクは酵母の黄色呼吸酵素の配合団として同一物質を取り出した。生化学的には2種のフラビン補酵素、すなわちフラビンモノヌクレオチド(FMN)とフラビンアデニンヌクレオチド(FAD)の構成成分として重要である。いずれもフラビン酵素の補酵素として多くの酸化還元反応系に関与する。還元状態では無色、酸化されると黄色となる。細菌、カビ、植物はリボフラビンを合成できるが、動物はできず、したがってビタミンとして摂取する必要があり、ヒトでは1日1.5~2.5ミリグラムとされる。欠乏症は皮膚炎、発育不良、口角炎、舌や目などの異常であり、ネズミでの実験的欠乏症では成長の停止、視力や神経系の障害、生殖能力の喪失がみられる。工業的には微生物の培地から精製され、また化学合成によっても得られる。ラクトフラビン、オボフラビン、ヘパトフラビンなどとよばれたものは、すべてリボフラビンと同一物質である。

[入江伸吉]

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百科事典マイペディア 「リボフラビン」の意味・わかりやすい解説

リボフラビン

ラクトフラビンとも。ビタミンB2のこと。黄褐色の針状結晶で融点292℃,水にわずかに溶け,熱には安定だが,光で破壊される。胚芽,肝臓,酵母,牛乳などに多く含まれる。生体内では呼吸酵素系の一員フラビンヌクレオチドの素材。欠乏により成長が止まり,口唇炎など粘膜の炎症がおこる。
→関連項目フラビン補酵素

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栄養・生化学辞典 「リボフラビン」の解説

リボフラビン

 C17H20N4O6 (mw376.37).

 ビタミンB2.ラクトフラビンともいわれた.生体内で酸化還元酵素の補酵素として働く.ヒト血液の赤血球体積dlあたり14.9μg以上が正常値とされる.

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世界大百科事典(旧版)内のリボフラビンの言及

【ビタミン】より

…(3)過剰症 ヒトでは,ビタミンB1の大量投与を長期間(数ヵ月)続けても副作用はみられず,血液や臓器にも病理学的変化はみられないといわれている。
[ビタミンB2
 ビタミンB複合体のうち,耐熱性の成長促進因子として発見されたものであり,化学名リボフラビンriboflavin。(1)生理作用 リボフラビンは,植物や多くの微生物によって合成されるが,高等動物においては合成されない。…

※「リボフラビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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