フランス国立図書館(読み)ふらんすこくりつとしょかん(英語表記)Bibliothèque Nationale de France(BnF)

図書館情報学用語辞典 第5版 「フランス国立図書館」の解説

フランス国立図書館

1368年シャルル五世(Charles V 1337-1380)が設置した王室図書室に起源を持つ,パリのリシュリュー通りの旧国立図書館(BN: Bibliothèque Nationale)と,フランス図書館(BDF: Bibliothèque de France)を併せて1994年に発足した.1996年フランソワ・ミッテラン図書館を新たに開館したほか,アルスナル図書館,オペラ座図書館,マルネ・ラ・ヴァレ技術センター等7つの機関で構成される.1537年に制定された世界初の法定納本制度によりフランスの出版物を網羅的に収集し,1,300万件以上の書誌レコードを含む目録データベースを作成・提供するとともに,国内の主要な学術図書館と共同でフランス総合目録(CCFR: Catalogue collectif de France)を作成し,約3,000万件の目録データの検索を可能にしている(2019年現在).1997年から電子図書館ガリカ(Gallica)の運用を開始し,BnFとその提携機関のデジタルコンテンツ420万点以上を公開している.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランス国立図書館」の意味・わかりやすい解説

フランス国立図書館
フランスこくりつとしょかん
Bibliothèque Nationale

パリにあるフランスの中央国立図書館。ルイ 11世が 1480年に創設した王室図書館に始る。シャルル8世,ルイ 12世の時代に蔵書拡充,ルイ 14世のとき宰相 J.コルベールが集書に努力,インド,中国からの書籍も納められた。 1537年の勅令以来フランス国内で出版される書物はすべて納本されることとなっている。革命後 1795年に現在の名称となった。組織的には本館のほかベルサイユの分館,アルスナル図書館,国立オペラ劇場図書館,国立音楽院図書館を包含して Réunion des Bibliothèques Nationales de Parisを構成している。書籍約 700万冊,地図 80万枚,定期刊行物 50万種,版画 600万点,メダル・コイン 45万枚,楽譜 94万点,写本 15万 5000点を所蔵している。"Bibliographie de la France"を刊行。

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世界大百科事典(旧版)内のフランス国立図書館の言及

【図書館】より

…すでにマザランの個人文庫の司書であったノーデGabriel Naudéは,1627年に図書館というものは書物を集めておくだけのものでなく,大いに研究に利用さるべきもので,科学者,研究者の〈実験室〉の性格をもつべきものであることを主張している。かくてフランス国立図書館(ビブリオテーク・ナシヨナル)は宗教改革,フランス革命を経て,修道院,貴族たちの図書館をも吸収して今日600万余の蔵書を擁している。 一方イギリスでは,15世紀に個人文庫ではじまったオックスフォード大学の図書館(復興に力のあったボドリーThomas Bodleyを記念してボドレーアン図書館と呼ばれる)も17世紀になって,書籍商との契約で納本図書館となり,今日,蔵書200万,写本4万の図書館に発展した。…

※「フランス国立図書館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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