フンデルトシャフト(英語表記)Hundertschaft

改訂新版 世界大百科事典 「フンデルトシャフト」の意味・わかりやすい解説

フンデルトシャフト
Hundertschaft

ゲルマンないしフランク王国時代の社会組織を指す用語。ただしその内容については新旧両説が対立している。旧説は,戦時には100人の兵士を供出する戦闘単位となり,平時には選挙された長の下に裁判団体として機能するゲルマン人の国家内部の最末端の自治的政治組織であり,フランク王国時代にも,グラーフシャフトグラーフ)の下部組織として存続したと考える。これに対し新説は,ゲルマン的フンデルトシャフトの存在を否定し,フランク王国時代のそれは,ローマ末期のケンテナcentena(辺境地域に置かれた軍事的植民の組織)を踏襲したものとみなしている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フンデルトシャフト」の意味・わかりやすい解説

フンデルトシャフト
Hundertschaft

初期のゲルマン国家にみられる 100人組の兵士組織。古ゲルマン時代の地域単位ではなく,7~8世紀にゲルマン国家の軍事的必要からローマ帝政末期の制度などを参考にして新たに組織されたものと思われる。

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