改訂新版 世界大百科事典 の解説
ブンゼン=ロスコーの法則 (ブンゼンロスコーのほうそく)
Bunsen-Roscoe's law
相反法則reciprocity law,相反則ともいう。光化学変化を起こす物質の量Pは,光の強さIと照射時間tの両方に比例するというもの。すなわち,P∝Itと表される。
1857年にR.W.ブンゼンとロスコーHenry Enfield Roscoe(1833-1915)によって提唱された。これは,光化学反応が光の吸収を含む第1段階のみで終結するような単純なものについて成立するものだが,現在では光化学の第2法則(光化学当量の法則)から導かれるので必要でなくなった。なお写真感光では,一般に光の強さが非常に大きいか,または非常に小さい場合,この法則に従わない。これを相反則不軌reciprocity law failureと呼んでいる。
執筆者:正畠 宏祐
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報