日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドレーパー」の意味・わかりやすい解説
ドレーパー
どれーぱー
Henry Draper
(1837―1882)
アメリカの天文学者。天体写真の創始者。バージニア州に生まれ、1854年父が化学教授を務めるニューヨーク大学医学部に入学。1857年イギリス旅行でロスの観測所を訪ねた際、天文学と写真術との結合を着想する。1858年学位を受け、病院勤務。1860年ニューヨーク大学教授。1866年同大学医学部長。教育のかたわら写真の実験やガラス鏡の製作に精進し、1863年私設天文台で月の表面の写真撮影を行い、1864年天体写真術の経験を著述した。
1872年ベガ星、1878年日食の際のコロナ、1880年オリオン大星雲、1881年彗星(すいせい)を撮影、これら天体スペクトル写真の元祖ともいえる業績はハーバード天文台で『ドレーパー星表』として集大成された。
[島村福太郎]