ヘーレーキ(その他表記)hay rake

改訂新版 世界大百科事典 「ヘーレーキ」の意味・わかりやすい解説

ヘーレーキ
hay rake

刈り倒されて草地面に散在する乾燥した牧草類を集める牧草収穫機の一種で,集草形式によりダンプレーキサイドレーキに分類される。ダンプレーキは主として畜力牽引けんいん)用であり,その構造は機体車輪および集草部からなっている。集草部は長さ1m程度の湾曲した鉄線製の集草づめを多数,等間隔に並列したものである。これを引きずって牧草をかき集め,適量だけ集まったら集草づめを後ろ上方に跳ね上げ,かたまり状に集められた牧草をその位置に放置する。サイドレーキは牧草を列状に集め,ヘーローダーヘーベーラーでの収納,梱包(こんぽう)作業の能率を上げるための機械である。構造は,ばね歯杆(しかん)を多数配列した円筒形リールが進行方向と45~50度の角度をもって配置されており,前進しながらリールを回転させ,歯杆により牧草を斜め前方へかき上げ,順次側方に寄せ集めて集草列を作っていく。その際,歯杆は下方を向いたままリールとともに運動する。
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百科事典マイペディア 「ヘーレーキ」の意味・わかりやすい解説

ヘーレーキ

集草機とも。刈り取った牧草をトラクターで牽引(けんいん)して集める農機具。rakeは熊手の意。古くから使われてきたダンプレーキは1本の軸に弾力のある細長い弧状の歯桿(しかん)を多数並べ,これで牧草をかき集めるもの。近年多いサイドレーキは刈り倒された牧草をトラクターの側方へ列状に集めていく形式で,歯桿を取りつけた4〜6個の円盤により集めるもの,歯桿のついた進行方向と逆の方向に回転するリールにより集めるものなどがある。またスイープレーキは集められた草をすくい上げて運ぶものをいう。このほか人力用の熊手状の集草用農具もレーキと呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内のヘーレーキの言及

【牧草収穫機】より

…牧草収穫機は古くから使われており,1800年代の後半より,それまでの大鎌などによる人力収穫に代わって,畜力用モーアを使った牧草刈取りが行われるようになった。これについで,モーアで刈り倒され地面に放置された牧草の乾燥を促進するため牧草反転を行うヘーテッダー,乾草収納のため列状に集草するヘーレーキ,地干しされた牧草を拾い上げて運搬車に積み込むヘーローダーが発達した。干し草はかさばり,取り扱いにくいため,圧縮して梱包(こんぽう)するヘーベーラーも使われるようになった。…

※「ヘーレーキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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