ベラルミーノ(読み)べらるみーの(その他表記)Roberto Francesco Romulo Bellarmino

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベラルミーノ」の意味・わかりやすい解説

ベラルミーノ
べらるみーの
Roberto Francesco Romulo Bellarmino
(1542―1621)

イタリアのカトリック神学者貴族の子として生まれ、1560年イエズス会に入る。ローマ大学卒業後、1570年に司祭となり、1576年から1588年までローマ学院の教授を務め、主著『キリスト教信仰をめぐる論争についての考察』3巻(1586~1593)では、ローマ教会の立場を弁護し、プロテスタント見解論駁(ろんばく)した。1592年ローマ大学学長、1599年枢機卿(すうききょう/すうきけい)となる。ガリレイ事件では理解を示し、イギリス国王ジェームズ1世暗殺を謀る1605年の火薬陰謀事件以降のイギリスにおけるカトリック教徒迫害政策を非難。1610年の『教皇職の権威について』のなかでは、教皇権の至上性を主張しているが、教皇権は俗事に対しては間接的にのみ権威を有すると述べている点で、後の聖俗分離論に道を開いた思想家ともいえる。

田中 浩 2017年12月12日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベラルミーノ」の意味・わかりやすい解説

ベラルミーノ
Bellarmino, Roberto Francesco Romulo

[生]1542.10.4. トスカナ,モンテプルチアーノ
[没]1621.9.17. ローマ
イタリアの枢機卿,神学者。聖人教会博士。 1560年イエズス会に入会。主著『異端反駁論』 Disputationes de controversiis Christianae fidei adversus hujus temporis haereticos (3巻,1586~93) 。プロテスタントをかたよりなくみるとともに,カトリックの教義擁護のために尽した。祝日は5月 13日。

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